本日は、『国語力』の訓練方法を伝授します!
今回ご紹介するのは、私自身が生徒さんたちに毎回宿題として出している方法です。
その前に、国語の重要性についてもう一度違う角度から述べてみたいと思います。
国語力とは別の言葉で表すなら「咀嚼力(そしゃくりょく)」と言えると私は思います。
難しい言葉が出てきましたが、咀嚼力とは、すなわち文章に限らず人の話の内容などをかみ砕いて理解することです。
そして人間の経済活動というものを考えた時、かみ砕いて理解したものを、有効な形に出力するということだと考えられます。
例えば、外回りの営業の仕事を考えた時、商品知識を叩き込んだり、先輩の経験を学んだり、トーク技術を書籍で学ぶといった作業が上記の図で言う「入力」です。
そしてこれをもとに、自分なりの営業スタイルを実践することが「出力」です。
技術開発者であれば、大学で数学、物理などの学問を学んり、専門書籍を読みこなしたりすることが入力であり、それを商品や論文という形に変えていくことが出力です。
また業務で言えば、会議で話し合われたことを把握(入力)して、自分の頭でよく整理し、上司や部下に報告(出力)するという図式も成り立ちます。
そして、最近の高校入試の国語問題や推薦入試には作文を課されることが多くなりました。
自分の体験(入力)したことを文章という形に「出力」する作業もこの図式にあてはまります。
このように国語力とは、単に文章を読解する能力ではなく、情報を上手に「入力」し、上手に「出力」する能力だと考えられます。
そこで、私は考えました。
「入力」と「出力」の構図に直結した国語の課題を。
それはずばり「文章の要約」です。
具体的には短編集(短編小説)や読解問題の説明文などを要約します。
そして要約は次の2つのことに注意します。
1.この話を読んだことのない人にもわかるように、できるだけわかりやすく書く。
2.できるだけ文章が短くなるように考えながら自分の言葉で書く。
そして、実際に生徒さんの要約を添削してみると、読解力がどの程度あるのかが実によくわかります。
「この子は細部までよく理解しているな」
「この子は書いていなことも自分で想像しているな」
「この子は分かっているのだけど話が伝わるように書けていないな」
「この子は文章を部分的に抜き出しているだけだな」
「この子は小学3年生くらいの読解力しかないな」
などなど様々な感想をもちました。
まじめにコツコツとやってくる生徒さんに関しては、急にできるようなことはないですが、やればやるだけ要約ができるようになっていきます。
そして、実際に要約を練習させた生徒さんに関しては、国語の定期テストも少しずつ点数が上がっています。
なんと言っても国語が苦手だと思っていた子は、国語に対する苦手意識がなくなったと言っています。
おまけに多くの生徒さんは模試の作文問題に苦労することはなくなりました。
個人差はいろいろあるかもしれませんが、この書くという作業を加えたことで、大きな効果が期待できるわけです。
それは語彙力(ごいりょく)です。
自分の知らない言葉、言いまわしを実際に使うことになるので、単に読んで理解するよりも語彙(ごい)が定着するようになります。
そしてもっといいことは要点が自然と分かってくるということです。
要約する作業は、どこを絞って伝えれば相手に伝わるよに書けるかということを考えなければいけません。
それを繰り返しているうちに要点が見えてくるようになります。
ですから自然と国語の問題もできるようになっていくのです。
実際に使う教材としましては、短編小説でもいいですし、国語の問題集(自分のレベルに合ったもの)を購入して、そこに使われている説明文・論説文を繰り返し要約してみてもいいでしょう。
もちろんわからない漢字、慣用句などは自分で調べたり、周りの人に聞いたりしてください。
一応、要約練習の初めにもってこいのおすすめは、星新一さんです。
どれも1つの話が5~10ページ程度で完結するショートショートの超短編ですので、小学生、中学生が初めて要約するにはもってこいの教材です。
実際、に私の教えている生徒さんにも、スタートは星新一さんのものを買ってもらって練習しています。
そして、もしできれば家族に自分が要約したものを読んでもらうといいでしょう。
自分ではよくわかるつもりでも、人に見てもらうと、「書いていることがぜんぜんわからない」なんて言われたりします。
それはまさに自分本位で文章を書いている証拠です。
大事なことは自分で書いたものを人に見てもらって感想を聞き、自分の書いた文章のどこがどういけなかったのかをしっかり分析することです。
そしてそのことを次に生かすことです。
週に1,2回のペースで構いませんので最低3ヵ月間、間をあけずに継続してください。
きっと成果が出るはずです。
ちなみに、私は感想文はあまりお勧めできません。
読書量も少なく語彙力もないのに、さらに自分の感じたことまで織り交ぜて書くことは訓練を阻害します。
私情は交えずに書かれているものだけを単純に自分の言葉で伝えることに集中したほうが効果はあると思います。
長くなりましたが、まとめると、
国語力を上げる最大のポイントは「出力」にあります。
ですから本を読んで文章で要約するのもいいですし、話して伝えるだけでもいい練習になります。
実際に大人になってから大事な能力はまさに「出力」する能力です。
そのために要約して文章に書き出すという訓練はものすごい威力があるのです。
今日から「出力」の練習を是非やってみてはいかがでしょうか。
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