ある山間部の公立小学校では、「総合的な学習の時間」などを利用して、子供たちに徹底的に「読み・書き・計算」をやらせて、きわめて高い基礎学力を身につけさせることに成功しています。
そのやり方は、読み・書きでは音読を重視して教科書の文章をとことん読ませ、熟語や書き順などのプリントをこなすというものです。
計算では、タテ軸とヨコ軸に十個の数字を並べ、タテの数字とヨコの数字が交差するところに足した答えを書く「百マス計算」のほか、「百マス引き算・かけ算」などをこなします。
それぞれ5分か10分、学校と自宅で毎日1、2回やるだけだといいますが、計算のほうは三週間でスピードが三倍に向上したと結果が出ています。
また、計算のしかたでまずいときは、その前の段階を丁寧にやり直しをさせて、ひとりひとりがわかるまで繰り返すので、小学校の範囲を超えた仮分数や帯分数の計算もすらすらできるようになるのだといいます。
また、社会科の歴史では重要な事件などの年号をがんがん覚えさせ、地理では都道府県名を中心にひたすら暗記をさせます。
年号や地名が頭に入っていると、社会的な事件などの意味合いをよく考えることにつながりますので、思考力や理解力がうんと伸びると言います。
基礎学力をつけるには、ある程度の「つめこみ」が欠かせない。
そう判断した先生方のおかげで、子供たちは各教科のドリルなどを繰り返して練習し、スピードをめざし、身体で覚えこみました。
基礎がしっかりしてくると授業が面白くなるので、「わからない → できない」という負の循環は、「わかる → できる」という正の循環に変わって行きます。
授業の理解度でいうと、小学生の三割が「授業がわからない」はずだったとのことでしたが、「つめこみ」を半ば強制されているうちに、高い基礎学力を身につける小学生もいるのです。
すばらしい先生方に指導されたのも大きいですが、それ以上に、当初は強制されたはずなのに、結果が出始めると、「つめこみ」は自分の意志でやり抜いたと考えるようになるところがすごいです。
定義などを暗記して使えるレベルに引き上げるのは、ガマンの連続なので、ひたすら根気の勝負になります。
ですが、正答率とスピードが上がってくると、かならず楽しくなります。
「できた!」という達成感が辛さを消してくれるのです。
逆にいうと、「やらされた」としか思えないでいるうちは、まだまだ努力する量が足りないし、学力のほうも不十分ということになります。
みなさんはどうでしょうか?
「授業がよくわからない」という中学生は、彼らのように最低限必要な「つめこみ」に歯をくいしばったことがありますか?
勇気をふるって弱点に向き合ってみたでしょうか?
今一度、自分の勉強を見直してある程度の「つめこみ」をやってみてはいかがでしょうか?
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