勉強法

数学は問題を解くだけでは学力は伸びない!

数学の問題を解いている時、あなたはどういった姿勢で考えていますか?

勉強のやり方として、「問題を解くとき」のみに意識していたのでは十分とはいえません。
そこそこ時間をさいて勉強しているにもかかわらず、数学ができないという方は、次の様なことを繰り返しをやっていませんか?


①参考書や問題集の問題を解く
②解ければ答え合わせをする。解けなければ正解を見る
③正解していれば丸をつけ、間違った箇所はノートに赤字で書きいれる
④数日間日数を置いて、同じ問題を再度やる

この勉強法の背後には「勉強はテストの点数アップを目的にしているため、テストに出るような問題を反復し慣れればいい」というような学習観があると考えられます。
ですが、数学のテストについては、問題を解くことが求められるのです。

問題を解く前に – 解説と例題を見る

それでは、何をするべきでしょうか。
まず第一に、問題を解く前に、教科書や参考書の解説部分をよく読むという単純な事です。
これは当たり前すぎて学校の先生はあえて言いませんが、教科書をちゃんと読まずにいきなり問題演習ばかりやって、出来るようにならない中学生・高校生はとても多くいます。
また、教科書や参考書は眺めるだけでなく、次のような点に注意しましょう。

1.数学用語の意味
「説明せよ」という問題がでないからといって、数学用語の意味の理解を怠ってはいけません。
定義と例題に注意しながら、自分の考えを人に説明ができるように覚えるようにしましょう。
数学なら解説部分はたいした分量はありません。
ですが、読んでいて「この部分はどうしてもわからない」と思ったら先生や友達に早いうちに聞いておくようにしましょう。
「わからなくても問題が解ければいいや」と思っていると、肝心の問題も解けなくなってしまいます。
何故なら、問題を理解したり正解を理解する為には、数学用語がきちんと理解しているかどうかが重要なポイントになるからです。

2.定理と公式
教科書の解説部分には、定理や公式も書かれています。ここも大切なところです。
定理とは、問題を解くときに使ってよい材料として頭に入れておくべきものになります。
「点A,B,C,Dが同一円周上にあることを証明せよ」と言われたら、「円に内接する四角形の向き合った内角の和は180度である(あるいは、内角は向き合った頂点の外角と等しい)」という定理を思い出して「四角形ABCDについて、それが言えるか」と、考えなければなりません。
この定理を、その場で自力で見つけ出そうというのは多くの生徒にとって無茶な話です。
公式は、覚えておけばたしかに便利ですが「どうやって導いたか」というポイントを押さえておきましょう。
忘れてしまったとしてもなんとか自分で公式を出すことができるし、導き方のポイントの中には、問題を解く際に応用が利くものがたくさんあるからです。
例えば、「等差数列の輪の公式」であれば、ポイントは「ひっくり返して縦に足す」ということです。
等比数列の和の公式であれば、「公比をかけて引く」ということです。
このやりかたに「なるほど!」と思えれば、そう簡単に忘れないはずです。
「自分ならそのアイデアが出せただろうか」と思いながら読んでいけば、数学の教科書の内容を楽しめると思います。

3.例題とその解法
解説部分の次には、例題とその解法が出ているはずです。
授業では先生が解いてみせて解説することが多いかもしれません。
これは、定理や公式をどのように使うかという見本になります。
新しい単元に初めて入った時は、この例題をまったくの自力で答えようとするのは無理なことが多いと思います。
スポーツでも楽器演奏でも、「基本的な型を教わる事」と「自分で考える」というチャンスは、その先にたくさん控えています。
逆に、入門段階で基礎を押さえておかないと、後で回り道をすることになります。
とにかく、教科書の例題レベルの問題は、はやめに答えを見てからでも良いので迷うことなく解ける状態にしておきましょう。

問題を解いた後に – 教訓を引き出す

「問題を解くて正誤をチェックする」というやり方を繰り返すのが一番もったいないという点は、もう一つあります。
ただ繰り返して問題を解いているだけでは、問題のパターン化も、問題の解きほぐし方もなかなか改善されません。

一般的な解法ルールを介する
学習する際に、一般的に表現された解法ルールを介すると「正解した問題とその解法を全て丸暗記する」という事を避ける事ができます。
新しい問題に出会ったときに、これまでに出会った似たような問題全てを具体的に思い出す必要はありません。
その問題のタイプを識別して、適用するルールを思い出せれば十分です。

問題を解くごとに経験を積む
問題がうまく解けなかった際には、「なぜ自分はうまく解けなかったのか」「この問題を解くことによって何がわかったのか」という教訓を問題から引き出しましょう。
このような教訓をメモとしてノートに書き込んでおいて時々チェックし、次の機会には生かそうという姿勢を持ちましょう。
もちろん、そこで得た教訓の中には、すでに参考書に出ているものや、先生が教えてくれたものもあるでしょう。
ですが「自分にとって大切な教訓」として意識することによって、はるかによく身につくはずです。
このように失敗を教訓として生かそうとする生徒と、解きっぱなしにしてしまう生徒とでは、同じだけの問題数を解いても実力が大きく違ってきます。







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